books2
Up one level竹内 一郎 (著) 「人は見た目が9割 」
題名から美人や美男は有利という話かなと思ったらそうではなかった。
コミュニケーションの中で言語が果たす役割は7%であり、後は非言語的なものということらしい。
話はうまいが信用できない人と無口でも説得力がある人がいる。それを左右しているのは、顔つき、仕草、目つき、匂い、色、温度、距離などの要素である。
この本の優れているところは、著者がマンガの原作を本職としており、舞台演出や俳優教育などをしているところから出ていると思う。(少年マガジンに連載されていた麻雀放浪記など)
例えば著者は、演出家は見た目で役を決めているといい、その理由を次のように書く。
そして、それは「多くの人がそういうふうに見ている」という先入観に基づいている。なぜそういう先入観を持つかといえば、「そういう人が多いと」という事実に基づいているからである。
ここでいう事実とは、必ずしも現実生活でのことのみを示すものではない。映画やテレビでそういうキャスティングが行われているから、受け手はそういう傾向を「事実」として学習していくのである。
この間読んだ「考える脳 考えるコンピューター」にも書いてあったが、脳はパターンを処理するだけであり、現実であれ仮想であれ、同じパターンがあればそれを同一の情報として取り扱うものらしい。それに照らしてもここに書かれていることはもっともなことである。
そのほか、いろいろな場面でマンガを使って、何を替えればどういうイメージを与えるかという解説があり、とても説得力がある。
「かわいい女の子になる」方法などは分かっていても騙されそうだ。
また、「間」に関する話では、次のように書かれている。
担任や保護者、またはそれに代わる親しい人が読むならば、読む技術など必要がない。その理由は子供は自分の好きな人の読み方、間の取り方にあわせて 感情移入をしてくるからである。つまるところ、「伝える技術」の最大の目的は、「好き、好かれる」の関係を作ることである。一方的な「間」では誰からも好 かれない間の悪いやつになってしまうのである。
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/511/tbping
高野 文子 (著) 「るきさん」
日曜日にいつもの本屋に行くと、高野文子のコーナーに見慣れない本があるので買ってくる。著者のまんがを読むのは、「棒がいっぽん」についで2冊目。
るきさんは、33歳くらいで自宅で医療事務の仕事をやっている。一ヶ月の仕事を一週間で終わらせ、後は図書館に喫茶コーナーで焼きそばパンを食べたり、郵便局で趣味の記念切手を買う。家に帰って折りたたみ式のテーブルでご飯を食べ、お釜が横についたタイプのお風呂に入り、寝床でまた本を読む。月末になると、婦長さんに電話をして現金を受け取り預金をし、本を買う。
そんな るきさんとキャリアウーマンの友人エッチャンの何気ない日常が描かれている。
色使いがすばらしい。そしてよく見ていくと、ひとこまひとこまの構図ががすばらしい。マンガに詳しくない私でも分かる。
この感じは武田百合子の「富士日記」に通じるものがある気がする。前にも書いたが、富士日記は、武田泰淳の妻である百合子が13年もの長きに渡って、今日は何を食べたとか、トイレが壊れたとか、うまいものをもらったとかいうことをひたすら書いている日記だ。
それだけなのだがすごい。
さて、このマンガは1988年から1992年のバブル真っ盛りにこともあろうに「hanako」に連載されていたとの事。読者は今の生活が嘘であることを感じつつ読んでいたのであろうか?
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/510/tbping
久世, トレンド・プロ, 晴瀬 ひろき 「脱オタクファッションガイド」
久世, トレンド・プロ, 晴瀬 ひろき 「脱オタクファッションガイド」
先日、中学校の時に一緒にアマチュア無線をやっていた友人に会った。仮にその名をSさんとしておこう。
Sさんは長い間、単身赴任を続けており、主に長崎屋、西友、ダイエーなどで服を買っている。(どこも経営破綻している)
あるとき、Sさんが自分で買った服を着て実家の前に立つと、そこに長く住んでいて血縁関係はないが同じ苗字の女性が、「そんな趣味の悪いコーディネイトしている人が知り合いだと思われると嫌だから、早く入って」と言われたらしい。そして、部屋に入ると血縁関係のある若い異性が、自分の姿を一目見るとありえないという顔をして部屋に引っ込んだそうだ。
ということで、待ちに待った「脱オタクファッションガイド」が入荷した。
昔のオタクであるアマチュア無線家は、98:2の割合で女性にもてなかった。私は数少ない2の方であるので、特にこの本を読む必要はないのだが、何事にも勉強熱心なのである。
さてこの本は、WEB上の脱オタクファッションガイドを書籍化したものだ。
大学生でアニメオタクの「かっちゅ」ことカズキは、好意を寄せる女性から「一緒に歩きたくないよね」と言われていることを知って落ち込んでいた。そんな時、偶然、幼馴染で服飾専門学校に通うナナに出会い、ファッション指南を頼み込む。
かっちゅの恋は行方はいかに?
というマンガになっている。
基本コンセプトは、「成功するおしゃれ」ではなく、「失敗しないおしゃれ」だ。高級ブランドで身を固めるのではなく、「おしゃれ」でコミュニケーションを広げていくのが目的なのだ。
この本はオタクが悪いといっているのでない。他者を拒否してはきちんと生きられないと言っているのだ。ファッションは予想以上に深いものであった
覚えたこと
- トップス:上半身に着る服のこと。インナーとアウターからなる。
- ボトムス:下半身に着る服のこと。パンツ(下着でなくズボンのこと)、靴、靴下。
ズボンの外にシャツの裾を出す、出さないの基準が初めて分かった。
お勧めである。
今週末は服を買いに行こう。
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/509/tbping
西原 理恵子 (著) 「営業ものがたり」
西原理恵子は、もう死んでもいいかもしれない。
彼女が死んでも、私は「 うつくしいのはら 」を忘れない。
リエゾー先生は、繰り返されるこの世界の悲しみとそれでも私たちがやらねばらないことをたった12ページで描いて見せた。
こんなことができる先生は、何とか菩薩の化身かもしれない。(多分気のせい)
多くの人に読んでもらいたいが問題が一つ。
西原作品には、お下劣系と叙情系の二つがあって、それらは同じ根っこから出ているのだが、そこが分からない人も多いと思う。
この本は雑誌スペリオールに連載されていたものらしく、前半がお下劣全開で子供にはお勧めできないし、良識ある大人なら「うつくしいのはら」までたどり着けないだろう。
ことの成り行き上、ここに収録されるのはやむおえないことではあるのだが、別の叙情系の物語と一緒に出版してほしいと思う。そうしたら10冊くらい買って配ります。
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/508/tbping
梨木 香歩 (著) 「沼地のある森を抜けて」
梨木 香歩 (著) 「沼地のある森を抜けて」
叔母が死に、マンションと伴に受け継いだぬか床に現れる卵とそこから孵化する人間?
同じ時期、どこか違う世界で進行する沢山の叔母と私の旅。
著者の本を読むのは初めてだったが、どうしてこんなことを思いつくのかとびっくりした。
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/507/tbping
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさんモスクワへ行く 」
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさんモスクワへ行く 」
ハ、ハリスおばさんがスパイ?!
ロンドンで通いの掃除をするハリスおばさんは61歳。つける薬のないロマンチストであり、ひょんなことからパリ、ニューヨークを旅し、国会議員も経験する。
そんな彼女が、掃除に通っているのは取材先のモスクワで恋に落ちたリザのことで苦しむ作家ロックウッド。
時代は冷戦真っ盛り。イギリスとソビエトは、互いに相手の国をつぶしてやろうと虎視眈々と隙をうかがっている。「好ましからぬ人物」と認定されたロックウッドは、リザにあうことはもちろん、手紙一本渡すことができないのだ。
そんな折、またまたハリスおばさんが福引を当てる。(籤運強し)
景品は、モスクワ5日間の旅。ロックウッドからの恋文を携え、嫌がる親友のバターフィルドおばさんを説き伏せて向かうモスクワ。なぜか待ち構えるのはKGBとソ連外務省の水も漏らさぬスパイ包囲網だった。
二人は再びロンドンの土を踏めるのか? ロックウッドとリザの恋の行方は?
その鍵を握るのは、30数年前日本でも大問題になったトイレットペーパーの買占めだった???
ストーリも込み入っているし、このシリーズで一番おもしろい。幸せな気分になれます。
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/505/tbping
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさん国会へ行く」
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさん国会へ行く」
ロンドンで通いの掃除婦をするハリスおばさんは61歳。30歳で伴侶をなくし、女手一つで娘を育てた働き者だ。
今度の勤め先は、政界の大立者。ひょんなことから陰謀の巻き込まれ、下院議員に立候補することになってしまう。
その結末はいかに?
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/504/tbping
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさんニューヨークへ行く」
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさんニューヨークへ行く」
ロンドンに住む通いの掃除婦ハリスおばさん。隣の家でいじめられているヘンリーの本当の父親を探すべく、親友のバターフィルドおばさんと図って、ニューヨークへ密航。
何とかヘンリーを連れ出したものの、アメリカは広い。親の名前だけを頼りに、一軒一軒家を訪ねていく。
果たして父親は見つかるのか? ヘンリーの運命はいかに?
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/503/tbping
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさんパリへ行く」
ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさんパリへ行く」
ハリスおばさんは、ロンドンで掃除婦をする60歳近いおばさん。
おばさんは、ひょんなことからクリスチャンディオールのドレス(当時の円だと500~600万円くらいか?)がほしくなり、何年もかかってお金をためて、パリの店を訪ねる。
おばさんの旅が、周りの人達の人生を回し始める。
ギャリコは最後にこう書く。
「ハリスおばさんは、ドレスを買ったというよりも、むしろ冒険と一つの貴重な体験を買ったのだった。そして、これこそ生涯失われることにないものだ。かの女は、こののちふたたび、自分が孤独で、かたすみに生きている人間であるという感じにとらわれることないだろう。」
お金では買えないものがある。
この本は、児童書でずっと絶版になっていたものが、「復刊ドットコム」で復刊した。
内容はもちろんだが、大きな活字、ふりがな、挿絵。小学生高学年から中学生くらいに向けての児童書は、こうした良質なものが必要だと思う。
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/502/tbping
Re: ポール ギャリコ (著) 「ハリスおばさんパリへ行く」
「ハリスおばさんパリへ行く」ポール・ギャリコ
よしなが ふみ (著) 「大奥 1 (1)」
これは傑作だと思う。
原因不明の病気のため、男の数が1/4になり、男女の役割が逆転してしまった江戸時代の大奥が舞台。
最初の5ページで謎の病気が広がっていく様子を描いているのだが、思わず信じそうになる。
一巻の主役の1人は、女の徳川吉宗。男らしくてかっこいい。
そして吉宗の大岡裁き?に泣く。3回も。
最初のうちは、男と女の役割を変えるだけで、こんな違和感がでるのかと驚いたが、読んでいくうちにそんなことも忘れていく。
「奥村さんのお茄子」を読んだ時にも思ったけれど、これは確かに世界に誇れる文化だ。
この漫画は、いつもの本屋で入荷した直後に見かけたのだが、男性が買うのはためらわれた。
その後、あさこさんのブログを読んであわてて買いに行くが売り切れ。入荷する気配もないので通販で購入した。
すばらしい本を紹介いただきありがとうございます。
- Category(s)
- books2
- The URL to Trackback this entry is:
- http://lightson.dip.jp/blog/seko/501/tbping
Re: よしなが ふみ (著) 「大奥 1 (1)」
TBありがとうございました!
リンクまで貼ってくださってうれしいです。
『大奥』の設定はすばらしいですよね!
男と女が逆転するだけで、こんなにもスゴイことになるとは。今後の展開がすごく楽しみです。
高野文子の作品は未読なので、ぜひ読んでみたいです。